企業向けのスライドは、背景がテンプレート化されていることが多くあります。しかしテンプレートがあっても、背景ごとに文字のサイズや位置を毎回調整する手間は残ります。
この検証では、Marp CLIで背景ごとの文字サイズ・位置を事前定義し、クラス名の指定だけでシートを構築できる仕組みを作りました。
この検証の概要
検証時期 | 2025年4月〜(保留中) |
|---|---|
対象 | Marp CLI(Markdownでスライドを作成し、PowerPoint等へ出力) |
作ったもの | 背景ごとの文字サイズ・位置を事前定義し、クラス名指定でシートを構築できる仕組み |
判定 | 条件付きで導入可(現在は保留) |
本記事は検証段階の記録です。定量的な効果測定は実施していないため、数値は掲載していません。
結論:クラス名だけで組めるようにする
この仕組みの狙いはシンプルです。
それぞれの背景に対して表示される文字のサイズや位置を事前定義することで、使う側はクラス名の指定だけで、使いたいシートを素早く構築できます。
テンプレートがあっても、通常はこうなります。
- この背景では文字が右に寄る → 位置を調整
- この背景は暗い → 文字色を変える
- タイトル用の背景だから文字を大きく → サイズを調整
調整の内容は背景ごとに決まっているのに、毎回手作業で行っている状態です。ここを事前定義に落とせば、使う側は「どの背景を使うか」を指定するだけで済みます。
Markdownで作る意味
Marpの基本的な特性です。
- Markdown形式でスライドを作成できる
- PowerPoint等へ出力できる
この組み合わせが実務で効きます。
PowerPointへ出力した後は編集も可能なので、微調整はそちらで行うという使い方ができます。
「AIやスクリプトで一気に作り、最後の仕上げは手作業」という分担が成立します。すべてをコードで完結させる必要はありません。
この設計が効く場面
テキストベースでスライドを作れることには、いくつかの副次的な利点があります。
GUIツール | Markdown + クラス指定 | |
|---|---|---|
1枚作る | 直感的 | 記法の習得が必要 |
大量に作る | 毎回同じ操作 | テキストを書くだけ |
一括修正 | 1枚ずつ直す | 定義を直せば全体に反映 |
差分の確認 | 難しい | テキストなので差分が見える |
AIに書かせる | 難しい | そのまま生成できる |
「AIに書かせる」という点が、この形式の現在的な価値です。Markdownはテキストなので、生成させてそのまま流し込めます。
クラス名で見た目が決まる設計なら、AIには内容とクラス名だけを出力させればよく、レイアウト調整を任せる必要がありません。
事前定義という考え方
この検証の本質は、Marpという特定ツールの話ではありません。
「毎回同じ判断をしているなら、それは定義に落とせる」という設計の考え方です。
背景ごとの文字サイズと位置は、本来は決まっているものです。それを毎回手で調整しているのは、判断が仕組みに落ちていないだけです。
一度定義してしまえば、以降は選ぶだけになります。作業が判断から選択に変わります。
よくある質問
Marpとは何ですか?
Markdown形式でスライドを作成できるツールです。PowerPoint等への出力にも対応しています。
PowerPointで編集できますか?
できます。出力後の編集が可能なため、微調整はPowerPoint側で行うという使い方ができます。
この仕組みの利点は?
背景ごとの文字サイズ・位置を事前定義することで、使う側はクラス名を指定するだけでシートを構築できます。毎回の調整作業が不要になります。
どんな場面に向いていますか?
テンプレートが決まっていて、同じ形式のスライドを繰り返し作る場面です。1枚だけ作るならGUIツールのほうが直感的です。
まとめ
- 背景ごとの文字サイズ・位置を事前定義し、クラス名指定でシートを構築できる仕組みを作成
- Markdownで作成しPowerPointへ出力。微調整は出力後に行える
- テキストベースの利点は大量作成・一括修正・差分確認・AIによる生成
- クラス名で見た目が決まる設計なら、AIには内容とクラス名だけを出力させればよい
- 本質は「毎回同じ判断をしているなら、定義に落とせる」という考え方
資料作成の効率化は、作る速度を上げることより、判断の回数を減らすことで進みます。決まっているものを定義に落とせば、以降は選ぶだけになります。
株式会社AI棒では、こうしたAI活用の検証を日々行い、企業の資料作成業務へのAI導入を支援しています。ご相談はお問い合わせフォームから、継続的な伴走支援についてはAI参謀をご覧ください。
