Claude CodeやGemini CLIといったコーディング用のCLIツールは、ローカルのファイルを直接読み込んで処理できます。ならば手元のMarkdownに溜めた事業情報を読ませれば、経営分析やマーケティング施策の立案にも使えるのではないか——そう考えて検証しました。
結論から言うと、一般的なマーケティング用途であれば、わざわざCLIを使う必要はありませんでした。通常のチャットUIで十分です。ただし検証の過程で、CLIならではの手応えも確認できています。判断の根拠とあわせて共有します。
この検証の概要
検証時期 | 2025年7月(7/5〜7/11) |
|---|---|
使用ツール | Claude Code / Gemini CLI |
やりたかったこと | ローカルのMarkdownファイルを読み込ませ、経営分析やマーケティング施策の立案を効率化する |
結論 | 一般的なマーケティング用途なら通常のチャットUIで十分。CLIを選ぶ理由が見つからなかった |
判定 | 条件付きで導入可(保留・手法の再検討) |
費用 | Claude Code:従量課金/Gemini CLI:無料枠あり |
本記事は自社での検証記録です。この検証では処理速度や工数削減率などの定量測定は行っていないため、数値は掲載していません。
結論:CLIである必要性が説明できなかった
検証を進める中で最後まで答えが出なかったのが、「なぜCLIである必要があるのか」という問いでした。
CLIツールはターミナル操作が前提です。マーケティング担当者や経営企画の担当者にとって、これは相応のハードルになります。そこを越えてまで得られるものが、チャットUIとの比較で明確に説明できませんでした。
一般的なマーケティング施策の立案であれば、推論モデルを備えた通常のチャットUIで十分な品質が得られます。ファイルを添付すれば読み込みもできます。CLIの学習コストを組織に負わせるだけの差分が見つからない、というのが率直な評価です。
やったこと
Claude CodeとGemini CLIの両方で、次のフローを実行しました。
ローカルの .md ファイル(事業情報・分析メモ)
↓ CLI で読み込み
マーケティング施策案の生成
↓
施策案.md として出力入力も出力もローカルのMarkdownファイルで完結する構成です。
2つのCLIの比較
項目 | Claude Code | Gemini CLI | チャットUI |
|---|---|---|---|
出力の粒度 | — | より細かな出力が得られた | — |
コスト | 従量課金 | 無料枠あり | — |
使いやすさ | エンジニア向け | エンジニア向け | 非エンジニアも対応可 |
連携性 | MCP連携が可能 | — | — |
この用途に限れば、Gemini CLIのほうが細かい出力が得られました。無料枠がある点も、試すだけなら扱いやすいところです。
収穫:ローカル情報をRAGのように使える手応え
見送りの判断とは別に、確認できた価値もあります。
ローカルに置いたMarkdownを、RAG(外部知識参照)のように扱える手応えが得られました。社内にしかない情報を、クラウドにアップロードせずAIに参照させられるということです。データがローカルに留まる点は、扱う情報によっては効いてきます。
加えて、コンテキストの保持やMCP連携といった拡張性の高さも確認できました。CLIの本領はこちら側にあります。単発の施策案を作らせるだけなら、その拡張性は活きません。
どういう場合なら使う価値があるか
今回の検証で見えたのは、「CLIが向くのは、CLIでしかできないことをやるとき」という当たり前の結論でした。具体的には次のような条件が揃う場合です。
- 操作する人がすでにターミナルに慣れている — 学習コストが発生しない
- 参照させたい情報がローカルにあり、外に出したくない — クラウドへのアップロードを避けたい
- 一度きりでなく、繰り返し実行する処理である — 自動化やMCP連携の拡張余地が活きる
逆にこれらに当てはまらないなら、チャットUIを選んだほうが早いというのが今回の整理です。
次に検証したいこと
本検証は「保留(手法の再検討)」として一旦止めています。あらためて確かめたいのは、エンジニアが自社のコードベースを理解した上で、そこからマーケティング資料を生成するケースです。
この場合は「操作者がCLIに慣れている」「参照対象がローカルにある」という条件が最初から満たされます。今回の用途とは前提が違うため、結論も変わる可能性があります。
よくある質問
Claude CodeとGemini CLI、どちらが良かったですか?
この用途に限ればGemini CLIのほうが細かな出力が得られました。ただし比較したのはマーケティング施策の立案という単一の用途であり、本来の用途であるコーディング支援での比較ではありません。
CLIを使うとコストは下がりますか?
Gemini CLIには無料枠があるため、試す段階のコストは抑えられます。Claude Codeは従量課金です。ただし今回はコスト削減を目的とした検証ではなく、削減額の測定も行っていません。
非エンジニアでも使えますか?
使えないことはありませんが、おすすめしません。ターミナル操作の習得コストに見合う効果が、一般的なマーケティング用途では見つかりませんでした。同じ目的ならチャットUIのほうが確実です。
まとめ
- 一般的なマーケティング用途では、CLIを使う理由が見つからなかった。チャットUIで十分
- 非エンジニアにとってCLIのハードルは高く、それを越える差分を説明できなかった
- 一方でローカル情報をRAG的に扱える手応えと、MCP連携などの拡張性は確認できた
- CLIが活きるのは、操作者が慣れていて・情報がローカルにあり・繰り返し実行する処理の場合
新しいツールを見ると「何に使えるか」を考えたくなりますが、既存の手段で足りるなら無理に置き換える必要はありません。今回はその線引きをした記録です。
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