LINE公式アカウントに届いた投稿を、そのままExcelに蓄積したい——問い合わせ管理や日報の回収など、この形のニーズは頻繁に出てきます。
LINE Message APIとMakeを繋いで、LINEへの投稿が数秒でOneDrive上のExcelに追加される一気通貫のフローを構築しました。構築の過程で、メンテナンス性を上げるための設計判断と、自動化が止まりやすい落とし穴が見つかったので共有します。
この検証の概要
検証時期 | 2025年8月28日 |
|---|---|
使用ツール | LINE Message API / Make(旧Integromat)/ Microsoft 365 Excel |
やりたかったこと | LINE公式アカウントへの投稿を、リアルタイムかつ正確にExcelへ蓄積する |
結論 | 投稿から数秒でOneDrive上のExcelに追加されるフローを構築。汎用パターンとして確立 |
設計判断 | 「Parse JSON」モジュールを使わず、Webhookの「サンプルキャプチャ」機能だけで構造化を完結させた |
注意点 | SharePoint上のExcelは認証問題が起きやすい。OneDrive格納を標準とする |
本記事は自社での検証記録です。工数削減の定量測定は行っていないため、数値は掲載していません。
結論:Parse JSONを使わないほうがメンテナンスしやすい
この検証で最も実務的な学びがこれです。
LINEのWebhookから届くデータはJSON形式です。Makeには「Parse JSON」というモジュールがあり、これを挟んで構造化するのが一見すると素直な作りに見えます。
しかし今回は、Parse JSONを使わず、Webhookの「サンプルキャプチャ」機能だけで構造化を完結させる方式を採用しました。理由はメンテナンス性です。モジュールが1つ減るぶん、フローの見通しが良くなり、後から手を入れやすくなります。
構築したフロー
LINE公式アカウント(ユーザーが投稿)
↓ Webhook
Make(サンプルキャプチャで構造化)
↓
Microsoft 365 Excel(OneDrive上)に行を追加投稿から数秒でExcelに反映されます。間に自作のサーバーを挟む必要はありません。
手順で外せないポイント:先にテスト投稿する
Makeを扱ううえで重要な手順を、あらためて確認しました。
一度テスト投稿を行って「サンプル取得」をさせないと、下流のモジュールでフィールド(変数)として選択できません。
Makeは実際に届いたデータの構造を見て、そこから選べる変数を組み立てます。つまりデータが一度も流れていない状態では、次のモジュールで何も選べないということです。フローを組む順番として、ここは飛ばせません。
変数は手入力せず「紫チップ」で挿す
もう一つの実務的なコツです。複雑なJSONであっても、Make上の「紫チップ(変数)」を使えば直感的にマッピングできます。
変数名を手で打ち込むと、綴りの間違いや階層の取り違えでエラーになります。手入力を避けることが、そのままエラー防止になります。
つまずいたこと:SharePoint上のExcelは止まりやすい
実運用に向けて重要な発見がこれです。
SharePoint上のExcelファイルを対象にすると、認証問題が発生しやすく、自動化が止まるリスクがあります。
自動化は「止まらないこと」が価値なので、認証まわりで不安定になる構成は避けたいところです。対応として、個人用またはBusiness用のOneDriveに格納されたExcelファイルを標準とする設定に変更しました。
同じMicrosoft 365のExcelでも、どこに置くかで安定性が変わります。ファイルの置き場所は、自動化の設計項目のひとつです。
応用できる範囲
今回作ったものは、抽象化すると「LINEに届いた情報を表に蓄積する仕組み」です。入口と出口を差し替えれば、幅広く応用できます。
- 問い合わせ内容の一次受けと記録
- 現場からの日報・報告の回収
- アンケートや申し込みの受付
次の展開としては、Lステップのようなより高度なLINEマーケティングツールとの連携可能性を検証する予定です。
よくある質問
なぜParse JSONを使わないのですか?
メンテナンス性を高めるためです。Webhookのサンプルキャプチャ機能だけで構造化が完結するため、モジュールを1つ減らせます。フローがシンプルなほど、後から手を入れやすくなります。
Excelはどこに置くべきですか?
OneDrive(個人用またはBusiness用)を推奨します。SharePoint上のファイルは認証問題が発生しやすく、自動化が止まるリスクがあります。
変数が選択できません
一度テスト投稿を行って、Webhookに「サンプル取得」をさせてください。データが流れていない状態では、下流のモジュールでフィールドを選択できません。Makeを使う際の基本手順です。
どのくらいで反映されますか?
LINEへの投稿から数秒でExcelに追加されます。ただし正確なレイテンシの測定は行っていません。
まとめ
- LINE Message API × Make × Excel で、投稿から数秒でExcelに蓄積されるフローを構築
- Parse JSONを使わず、Webhookのサンプルキャプチャだけで構造化。メンテナンス性を優先した判断
- Makeでは先にテスト投稿してサンプル取得させないと、下流で変数を選べない
- 変数は手入力せず紫チップでマッピングすることがエラー防止になる
- SharePointではなくOneDriveにExcelを置く。認証問題で自動化が止まるのを避けるため
自動化は作った直後より、止まらずに回り続けるかどうかで評価が決まります。今回はその観点での設計判断が多く得られた検証でした。
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