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2026年7月27日開発・エンジニアリング検証時期:2025年7月

ExcelでAI関数を自作する|LM Studio×ローカルLLMを検証し全社展開を見送った理由【AI活用検証vol.2】

ExcelでAI関数を自作する|LM Studio×ローカルLLMを検証し全社展開を見送った理由【AI活用検証vol.2】

Excelのセルに =AI("この文章を要約して", A1) のような関数を書いて、そのままAI処理ができたら便利です。しかも社外にデータを出さずに。この発想でローカルLLMとExcelを繋ぐ仕組みを作り、技術的には動作したものの、全社展開は見送りました。

見送りの理由は精度でも機能でもなく、PCスペックでした。同じ構成を検討している方に向けて、判断の経緯を共有します。

この検証の概要

検証時期

2025年7月(7/5〜7/11)

使用ツール

Microsoft Excel + LM Studio(ローカルLLM)

やりたかったこと

Excel内から直接AIを呼び出す「AI関数」を作り、データ整理などの日常業務を効率化する

結論

技術的な実現性は確認できたが、動作が重く高スペックPCが必須。全社展開は非現実的と判断し不採用

判定

導入見送り(検証終了)

得られた知見

実用化を目指すならクラウドAPI(Azure OpenAIなど)に切り替えるべき

本記事は自社での検証記録です。処理速度は「重い」という定性評価にとどまり、秒数などの定量測定は行っていないため数値は掲載していません。

結論:動くが、配れない

仕組み自体は完成しました。Excelシート上から自作のAI関数を呼び出し、セル内のデータに対してAI処理を実行できています。技術的な実現性という意味では、検証は成功と言えます。

それでも見送ったのは、この構成が「配布できるもの」にならなかったからです。ローカルLLMを動かすには相応のPCスペックが必要で、そこがボトルネックになりました。

全社員のPCにLM Studioを入れて回してもらう、という運用は現実的ではありません。一部の人しか使えないツールは、業務改善の手段としては成立しにくいという判断です。

作ったもの

Excel(セルに数式を入力)
    ↓  マクロ
LM Studio のローカルAPI
    ↓
ローカルLLMで処理
    ↓
Excelのセルに結果を返す

ExcelマクロからAPI経由でLM Studioを呼び出す構成です。LM StudioはローカルPC上でLLMを動かすツールで、APIサーバーとしても起動できます。この構成の要点は、データが一度もPCの外に出ないことです。

この構成の価値:機密データを外に出さずに処理できる

見送りはしましたが、ローカルLLMを使う最大の利点は確認できました。

クラウドのAIサービスを使う場合、処理したいデータは必ず外部に送信されます。顧客情報や未公開の数値を含むExcelファイルでは、そこが導入の壁になることがあります。ローカルLLMならこの問題が発生しません。

「セキュリティ要件が厳しくてクラウドAIを使えない」という制約下では、ローカルLLMは有力な選択肢になります。今回の検証は、その可能性を確認できた点に意味がありました。

つまずいたこと:推奨スペックの壁

不採用の直接の理由はこれです。

ローカルPCでLM Studioを起動するには、高いPCスペックが求められます。動作は重く、一般的な業務用PCで快適に回せるものではありませんでした。導入時のLM Studioインストール自体もハードルが高い部類に入ります。

技術的に可能でも、全社員に配れないなら業務改善のツールとしては成立しません。「一部の高スペックPC保有者だけが使える効率化」は、組織全体で見ると効果が限定的です。

実用化するなら:クラウドAPIに切り替える

同じ「ExcelからAI関数を呼ぶ」構成を本気で実用化するなら、呼び出し先をローカルLLMからクラウドAPI(Azure OpenAIなど)に変えるべきというのが今回の結論です。

項目

LM Studio(ローカル)

Azure OpenAI(クラウド)

データの保管場所

ローカル。外部に出ない

クラウドへ送信される

環境構築

高スペックPCが必須

環境構築が不要

全社展開

非現実的

現実的

クラウドAPIならPCスペックに依存しないため、配布可能な仕組みになります。データを外に出せるかどうかで、選ぶべき構成が変わるという整理です。

残した可能性

全社展開は見送りましたが、適用先を絞れば話は変わります。追加で確かめたいのは、高スペックPCを持つエンジニア部門に限定した、ニッチな作業効率化です。

この条件なら「スペックの壁」は最初から存在しません。機密データを扱う分析作業などでは、噛み合う場面がありそうです。

よくある質問

ExcelのAI関数は自作しないと使えませんか?

今回はマクロからAPIを呼び出す方式で自作しました。Microsoft自身もExcelへのAI機能統合を進めているため、標準機能で足りるかを先に確認するほうが早い場合があります。今回検証したのは、自前でローカルLLMに繋ぐ構成です。

どのくらい重かったですか?

この検証では処理速度の定量測定を行っていないため、秒数などはお答えできません。定性評価として「重い」「高スペックPCが必要」という判断に至った、というのが記録の全てです。

ローカルLLMは業務では使えないということですか?

そうではありません。今回の「全社員のPCで動かす」という前提と噛み合わなかっただけです。機密データを扱う特定部門に絞る、あるいはサーバー側で動かして社内から呼ぶ構成にするなど、前提を変えれば選択肢に残ります。

まとめ

  • Excel + ローカルLLMのAI関数は技術的には動作したが、全社展開は見送り
  • 理由は精度や機能ではなくPCスペック。動作が重く、配布可能な仕組みにならなかった
  • ローカルLLMの価値は機密データを外に出さずに処理できる点。ここは確認できた
  • 実用化を目指すならクラウドAPI(Azure OpenAIなど)に切り替えるのが現実的

社内ツールの検討では「動くかどうか」より「全員に配れるかどうか」で結論が決まる場面が少なくありません。今回はその典型例でした。

株式会社AI棒では、こうしたAI活用の検証を日々行い、企業の業務効率化とAI導入を支援しています。自社の環境に合う構成のご相談はお問い合わせフォームから、継続的な伴走支援についてはAI参謀をご覧ください。

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