活用事例一覧へ
2026年7月27日業務自動化・ワークフロー検証時期:2025年8月

不定休に対応するガントチャートをExcelで作る|ChatGPTと7回作り直して確立した指示の型【AI活用検証vol.12】

不定休に対応するガントチャートをExcelで作る|ChatGPTと7回作り直して確立した指示の型【AI活用検証vol.12】

Excelのガントチャートテンプレートは世の中に無数にありますが、その多くは土日休みが前提です。建設や飲食のように不定休で動く現場では、この時点で使えません。現場ごとの稼働形態に合わせようとすると、結局は自作することになります。

この検証では、ChatGPTとの対話を通じて不定休・複数従業員・親子タスクに対応し、進捗率でセルの色が変わるガントチャートをExcelで構築しました。v1からv7まで段階的に作り込む過程で、複雑なExcelシートをAIに作らせるための指示の型も確立しています。

この検証の概要

検証時期

2025年8月(8/16〜8/22)

使用ツール

Microsoft Excel(Mac版 16.98基準)/ ChatGPT

解決したかった課題

非営業日(不定休)の動的な扱い、親子タスクの連動、進捗率の視覚化を同時に満たすExcelベースの管理ツールを作る

成果物

進捗オーバーレイ付きガントチャート(v7まで多段階で開発)

使用した関数

INDEX / MATCH / AGGREGATE(XLOOKUP等の新関数は使わない)

判定

完了(運用ロードマップ確立)

本記事は自社での検証記録です。作成時間の短縮率などの定量測定は行っていないため、数値は掲載していません。

結論:一気に作らせず、前提を固定して段階的に指示する

複雑なExcelシートをAIに作らせるうえで、最も効いた原則がこれです。

「こういうガントチャートを作って」と一度に投げても、望むものは出てきません。前提条件を固定した上で、段階的に指示を積み上げていく必要があります。今回はv1からv7まで、対話を重ねながら関数のデバッグを繰り返して完成させました。

この進め方を独自の指示テンプレートとして確立できたことが、成果物そのものと並ぶ収穫です。同じ手順で他の複雑なシートも作れます。

作ったもの

1. 不定休に対応する「稼働日管理シート」の分離

建設・飲食など業界ごとに違う稼働状況に対応させるため、稼働日を管理するシートを本体から分離しました。フラグで管理する設計にすることで、現場ごとの休日パターンを柔軟に反映できます。

土日固定のテンプレートが使えない、という最初の課題はここで解消しています。

2. 親子タスクの連動

当初は親タスクだけの管理で進めていましたが、現場では子タスクの進捗が親に反映されるUIが必須だと分かりました。

対応として、親子関係を定義するキー(担当者◆親タスク)を設定し、AGGREGATE関数で子タスクの開始日・終了日の最小値と最大値を自動取得するロジックを実装しています。子を動かせば親の期間が自動で追随します。

3. 進捗オーバーレイ

進捗率に応じてセルの色が変化する仕組みです。バーを見るだけで、どのタスクがどこまで進んでいるかが分かります。

あえて新関数を使わなかった理由

技術的な判断として重要だったのが、XLOOKUPなどの新しい関数を使わず、INDEX/MATCHやAGGREGATEといった旧来の関数だけでロジックを組んだことです。

理由はExcelのバージョン差異です。今回はMac版16.98を基準にしていますが、社内で広く使うツールである以上、環境によって動かないという事態は避ける必要があります。新関数は書きやすい反面、使える環境が限られます。

「自分の環境で動く」ではなく「配った先で動く」を優先した結果、堅牢な旧関数のみという制約を自分に課しました。

つまずいたこと:GPTsでの量産は難しかった

完成した設計をGPTsに載せて量産化を試みましたが、プルダウンの欠落や関数の不適用が多く発生しました。

結果として、最終的な仕上げには依然として人間のチューニングが必要という結論です。設計をテンプレート化すれば誰でも量産できる、という状態には至りませんでした。

正直な比較:スプレッドシートのほうが見やすい

検証の中で気づいた点として、率直に書いておきます。

Googleスプレッドシートのタイムライン機能に条件付き書式を適用したほうが、Excel式のガントチャートよりも視認性の高いものが作れます。

世間で「リッチなUI」と評されるガントチャートは、ブラウザやネイティブアプリで動いているものがほとんどです。共通しているのはマークアップが使える環境であるという点でした。Excelのセルで表現できる範囲には、構造的な限界があります。

それでもExcelで作る意味があるのは、現場がすでにExcelで動いている場合です。新しいツールの導入は、機能の優劣とは別の話になります。

よくある質問

不定休にはどうやって対応していますか?

稼働日を管理する専用シートを本体から分離し、フラグで管理する設計にしています。これにより、建設・飲食など業界ごとに異なる稼働形態を反映できます。

なぜXLOOKUPを使わないのですか?

Excelのバージョン差異を考慮したためです。社内で広く使うツールなので、環境によって動かないリスクを避けました。INDEX/MATCHやAGGREGATEといった旧来の関数のみでロジックを組んでいます。

ChatGPTに丸投げで作れますか?

作れません。一気に作らせるのではなく、前提を固定して段階的に指示を出す必要があります。今回もv1からv7まで、関数のデバッグを繰り返しながら仕上げました。GPTsでの量産化も試みましたが、最終的な仕上げには人間のチューニングが必要でした。

Excelではなくスプレッドシートを使うべきですか?

視認性だけで言えば、Googleスプレッドシートのタイムライン機能のほうが見やすいものが作れます。ただし現場がすでにExcelで動いているなら、そこに合わせる判断も妥当です。ツール選定は機能の優劣だけでは決まりません。

まとめ

  • 土日固定のテンプレートでは対応できない不定休の現場向けに、Excelでガントチャートを構築
  • 稼働日管理シートを分離してフラグ管理にすることで、業界ごとの稼働形態に対応
  • 親子タスクの連動はキー設定+AGGREGATE関数で実装。子の進捗が親に反映される
  • バージョン差異を避けるため、あえて旧関数のみで構築。配った先で動くことを優先
  • 最大の収穫は「前提を固定して段階的に指示する」というAIへの指示テンプレートの確立
  • 視認性ではスプレッドシートのタイムライン機能に分があるのも事実

AIに複雑なものを作らせるときは、指示の出し方そのものが技術になります。今回はガントチャートを題材に、その型を作った検証でした。

株式会社AI棒では、こうしたAI活用の検証を日々行い、企業の業務効率化を支援しています。ご相談はお問い合わせフォームから、継続的な伴走支援についてはAI参謀をご覧ください。

関連する検証事例

© 株式会社AI棒 All Rights Reserved.