Power AutomateにはCopilotが搭載されており、「こういう自動化がしたい」と自然言語で伝えるとフローを生成してくれます。Microsoft 365をすでに使っている企業にとっては、追加投資なしで試せる自動化の入口です。
実務でどこまで使えるのかを検証したところ、「完成品を作らせる」使い方では期待に届かない一方、「助手として使う」なら十分に有効という結論になりました。この捉え方の切り替えが、今回の一番の収穫です。
この検証の概要
検証時期 | 2025年8月(8/9〜8/15) |
|---|---|
使用ツール | Power Automate + Copilot for Power Automate |
やりたかったこと | Microsoftエコシステム内でのCopilotの実用性を確認し、定型業務の自動化をどこまで効率化できるか見極める |
結論 | 複雑な自動化における実用性は現時点では低い。一方、ツールの接続設定や基礎的な使い方の習得には有効 |
捉え方の転換 | 「完成品を作るツール」ではなく「パーツの組み合わせを提案する助手」として使う |
判定 | 完了(手法の確立) |
本記事は自社での検証記録です。構築工数の削減率などの定量測定は行っていないため、数値は掲載していません。
結論:Copilotは「助手」であって「代行者」ではない
検証を通じて最も重要だった発見がこれです。
Copilotを「完成品を作るツール」として期待すると、実用性は低いと感じます。複雑な条件分岐や、実業務に即した深いフローの自動生成には限界がありました。指示どおりのものが一発で出てくることはありません。
しかし、「フローを構成するパーツの組み合わせを提案してくれる助手」として捉えると、評価が変わります。この捉え方に切り替えることで、効率的な構築ができるようになりました。
同じツールでも、期待値の置き方で使えるかどうかが決まる——という典型的な例です。
できたこと:接続設定と基礎習得
各種ツールの接続設定や、基礎的な使い方の習得については有効でした。
Power Automateは接続できるサービスが非常に多く、「このサービスと繋ぐにはどの設定が必要か」を調べる工程が発生します。Copilotはここを埋めてくれます。ドキュメントを探すより、聞いたほうが早い場面が多くありました。
特にPower Automateを使い始めたばかりの段階では、学習の伴走役として機能します。「まず何ができるのか」を掴むまでの時間が短縮されます。
できなかったこと:複雑なフローの自動生成
一方で、複雑な条件分岐や、実業務に即した深いフローの自動生成には限界がありました。
実務の自動化は、たいてい例外処理の塊です。「この条件のときだけ別のルートに流す」「この項目が空なら処理を止める」といった分岐が積み重なります。こうした業務固有の要件は、自然言語の指示から汲み取ることが難しい領域です。
結果として、Copilotが出したフローをそのまま本番投入できる場面はほとんどありませんでした。
実務での進め方
この検証を踏まえて、次のアプローチを採ることにしました。
- 小さなパーツ(接続例)をCopilotで作り、検証する — サービスAとサービスBを繋ぐ最小構成をまず動かす
- 検証済みのパーツを組み合わせる — 動くと分かっている部品を積み上げる
- 具体的な業務事例に落とし込む — 例外処理や条件分岐は人が設計する
「一発で完成形を出させる」のではなく「動く部品を集めて自分で組む」という進め方です。Copilotの得意な範囲だけを使う形になります。
よくある質問
Copilotだけで業務フローは作れますか?
複雑な業務フローは難しいというのが検証結果です。条件分岐が多い実務レベルのフローでは、人による設計が必要になります。単純な接続や定型的な処理であれば、Copilotの出力をベースにできます。
Power Automateの初心者でも使えますか?
むしろ初心者に向いています。接続設定や基礎的な使い方の習得には有効でした。ドキュメントを探す代わりに聞ける、という使い方が学習コストを下げます。
どのくらい工数が減りますか?
この検証では定量測定を行っていないため、数値はお答えできません。「複雑な自動化では実用性が低い」「接続設定や基礎習得には有効」という定性的な評価にとどまります。
まとめ
- Power AutomateのCopilotは、複雑な自動化の完成品を作らせる用途では実用性が低い
- 一方、ツールの接続設定や基礎的な使い方の習得には有効
- 捉え方を「完成品を作るツール」から「パーツの組み合わせを提案する助手」に切り替えると、効率的に使える
- 実務では、検証済みの小さなパーツを組み合わせて業務事例に落とし込むアプローチが現実的
AI機能の評価では「期待どおりに動かない=使えない」と結論づけがちですが、期待の置き方を変えると使いどころが見えることがあります。今回はその調整をした検証でした。
株式会社AI棒では、こうしたAI活用の検証を日々行い、企業の業務自動化を支援しています。ご相談はお問い合わせフォームから、継続的な伴走支援についてはAI参謀をご覧ください。
