商談の記録は「何を話したか(事実)」と「どう感じたか(反省)」の両方が揃って初めて振り返りに使えます。前者はZoom AIコンパニオンが出してくれますが、後者は担当者が書き残さないと残りません。
この2つを自動で集約し、スプレッドシートとDiscordに流す仕組みを構築しました。安定稼働に入っており、大きな支障が出るエラーは発生していません。実装で必要になった細かい処理を中心に共有します。
この検証の概要
検証時期 | 2025年10月(10/11〜10/24) |
|---|---|
使用ツール | Zoom AI Companion / GAS / Discord / スプレッドシート |
やりたかったこと | 要約と文字起こしを自動集約し、営業担当者の「振り返りコメント」を抽出・分析する |
結論 | スプレッドシートへの自動転記とDiscord通知が安定稼働。運用監視で大きな支障となるエラーは未発生 |
設計の要点 | 文字起こし単体のWebhookが取れないため、要約Webhook受信時のUUIDをキーに定期実行で後追い取得 |
状況 | 運用監視・分析ロジック構築中 |
本記事は自社での検証記録です。報告工数の削減率などの定量測定は行っていないため、数値は掲載していません。
設計上の壁:文字起こしのWebhookが取れない
この構築で最初に突き当たった制約です。
文字起こし単体のWebhookが取得できませんでした。要約は通知されるのに、文字起こしはその場では受け取れない。イベント駆動で組もうとすると、ここで詰まります。
採用した解決策はこうです。要約Webhookを受信したタイミングでUUIDを取得し、それをキーにして定期実行で文字起こしを後追いで取りにいく。
Zoom(商談終了)
↓ 要約 Webhook(UUIDを取得)
GAS が発火 → UUIDを記録
↓ 定期実行
UUID をキーに文字起こしを後追い取得
↓
スプレッドシート転記 + Discord 通知イベントで取れないものは、鍵だけ受け取って後から取りに行く。外部サービスと繋ぐ際によく必要になる考え方です。
実装で必要だった処理
5万文字を超えるデータの分割
商談の文字起こしは非常に長くなります。スプレッドシートには1セルあたりの文字数制限があるため、そのまま入れると収まりません。
対応として、複数のセル(列)にデータを逃がす処理を実装しました。5万文字を超えるケースを想定した分割処理です。
この点は見落とされがちですが、長い文字起こしを扱う仕組みでは必ず踏む問題です。設計時点で分割を前提にしておくと、後から慌てずに済みます。
担当者コメントのトリミング
振り返りコメントを抽出する際、そのまま取ると発言者名などが混ざります。担当者コメントのトリミング処理を実装し、読める形に整えています。
サービスアカウントの除外
会議には人間以外の参加者も入ります。Botなどのサービスアカウント名を除外するフィルタリングを実装しました。これがないと、振り返り分析にノイズが混ざります。
運用状況
運用監視において、大きな支障が出るエラーは発生していません。実用レベルでの稼働を確認できています。
現在は分析ロジックの構築段階です。データが溜まる仕組みは動いているので、次はそこから何を読み取るかというフェーズに入っています。
よくある質問
Zoomの文字起こしはWebhookで取れないのですか?
文字起こし単体のWebhookは取得できませんでした。要約Webhookの受信時にUUIDを取得し、それをキーに定期実行で後追い取得する設計にしています。
長い文字起こしはどう扱いますか?
スプレッドシートの1セル制限を回避するため、複数セル(列)にデータを逃がす処理が必要です。5万文字を超えるケースを想定した分割処理を実装しています。
Botの発言はどう除外していますか?
サービスアカウント名の除外フィルタリングを実装しています。会議にはBot等が参加していることがあり、これを含めると分析にノイズが入ります。
安定して動いていますか?
運用監視において、大きな支障となるエラーは発生していません。スプレッドシート転記とDiscord通知は実用レベルで稼働しています。
まとめ
- Zoom AIコンパニオンの要約と文字起こしを集約し、スプレッドシート転記とDiscord通知が安定稼働
- 文字起こし単体のWebhookが取れない制約に対し、要約WebhookのUUIDをキーに後追い取得する設計を採用
- 5万文字超のデータは複数セルに分割する処理が必須
- 担当者コメントのトリミングと、Botなどサービスアカウントの除外フィルタリングで分析可能な形に整えた
自動化の実装では、主要な処理よりもこうした細部の後始末が動作の安定性を左右します。データが「入る」ことと「使える形で入る」ことは別問題です。
株式会社AI棒では、こうしたAI活用の検証を日々行い、企業の営業DXとAI導入を支援しています。ご相談はお問い合わせフォームから、継続的な伴走支援についてはAI参謀をご覧ください。
